「フィガロの結婚」Le nozze di Figaro K. 492, Libretto: Lorenzo Da Ponte
第2幕 ケルビーノのアリアの日本語訳
文法事項: Voi che sapete che cosa è amor
Voi che sapete che cosa è amor,
有識者の方々、愛とはどのようなものか
donne, vedete s'io l'ho nel cor.
貴婦人方、見て下さい 私の中にそれがあるかを
Quello ch'io provo vi ridirò;
私に起きていることを お話しします
è per me nuovo, capir no'l so.
それは、私にとって初めてのことで、理解することができないのです
Sento un affetto pien di desir
私にあるのは 欲望
ch'ora è diletto, ch'ora è martir.
そのことが ある時は喜びであり、ある時は苦痛なのです
Gelo, e poi sento l'alma avvampar,
凍ったかと思えば 私は燃え上がり、
e in un momento torno a gelar.
そしてすぐに 再び凍るのです
Ricerco un bene fuori di me,
良いことを求め、 外を探します
non so chi'l tiene, non so cos'è.
それを誰が持っているか知らないし、それが何か分からないのに
Sospiro e gemo senza voler,
ため息をつき、嘆きます。 そうしたいと思わないのに
palpito e tremo senza saper,
動悸がして 震えて 、 理由が分からない
non trovo pace notte né dì:
夜も昼も気が休まらない
ma pur mi piace languir così.
けれど、 それでも 楽しいのです。 そのように思い焦がれることが
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原作 (戯曲) の ケルビーノ(仏:cherubin シェリュバン) に関する前書きに、”この役は若くて非常に魅力的な女性にしか演じられない” とある。理由は、 ”私たちの劇場にはその繊細さをよく感じ取れるほど十分に養成された年少の男性はいないから”
オペラでもそれが踏襲されて、ケルビーノ役は女声(メゾソプラノ)
参照
La Folle Journée ou le Mariage de Figaro